高知県スポーツ課職員(地域スポーツ推進員)が、
高知県内で活動しているスポーツ団体の活動に参加して、
活動の様子や感想をお伝えするレポートシリーズ。
第五回目は「ゴールボール」に挑戦です!
ゴールボールとは…
視覚に障害のある人を対象に考えられた球技で、パラリンピック特有の種目です。
1チーム3人の選手が、鈴の入ったボールを転がすように投げ合って、
味方ゴールを守りながら、相手ゴールにボールを入れて得点を競います。
選手全員が視野や視力といった障害の程度の差が出ないようにアイシェード(目隠し)をつけます。
県内唯一のゴールボールチーム!
今回ゴールボールを体験するのは高知市にある「高知県立盲学校」の体育館。
高知パラスポーツクラブMKTの練習に参加させていただきました。
県内唯一のゴールボールチームで、
視覚障害がある方もない方も一緒に活動しているチームです。
毎週木曜日19:00~21:00、日曜日9:00~12:00で練習しています。
高知パラスポーツクラブMKTの詳細はこちらから!
この日は県外の選手も練習に参加しており、
パリ2024パラリンピックに日本代表として出場していた選手も来られていました!
軽く自己紹介をした後、全員でラジオ体操を行い、
各自追加でストレッチや準備運動を行いました。
コートをよく見ると、凹凸があるラインが引いてあります。
ゴールボールは選手全員がアイシェードを着けて行うため、
写真のように床とテープの間に紐を入れて凹凸のあるラインを引き、
競技中はその凹凸を触って自分の位置を確かめるそうです。
まずは見える状態で練習!
キャプテンから説明を聞き、キャッチボールを行います。
ボールの大きさはバスケットボールと同じですが、重さは約2倍とのこと。
片手で投げるには結構ハードなので、腕だけでなく全身を使って投げます。
守備の練習もまずは見える状態で行いました。
守備の際は、相手が投げたボールが後ろ(自陣ゴール)側に通らないように、
腕と脚の隙間を調整します。
また、顔にボールがぶつからないように頭の位置にも気をつけなければなりません。
(写真はあまり良くない姿勢です…)
投げてくれる相手やボールが見えている状態かつ
優しく投げてもらっているので簡単にボールを取れますが、
これを見えない状態で行うと思うと少し怖さを感じます。
アイシェードを装着して実践!
見える状態での守備練習が終わり、次は見えない状態での守備練習です。
今回は簡易的なアイシェードをお借りして着用しました。
アイシェードは内側に光が一切入らないようになっているので、
目を開けても視界は真っ暗です。
まずはみなさんの練習を見学。腕と脚をしっかりと伸ばし、ボールを止めていました。
みなさんのプレーを見て学んだところで、いよいよ実践です。
音だけでボールの位置を判断するのですが、なかなかうまくいきません。
ボールは脚をかすって斜め後ろへ転がっていきました…
何度かチャレンジしていくうちに、ボールの位置がわかるようになってきて、
体でボールを止められるようになってきました。
しかし体にボールが当たるタイミングがつかめず、
構える前にボールがお腹に当たると、なかなかの衝撃が加わります…
1点は取りたい!
ゲーム形式の練習が始まりました。
守備練習と同じく、まずはみなさんのプレーを見学です。
見えていないとは思えないスピード感でゲームが進んでいきます。
ゴールが決まったり、良いプレーがあると、チームメイトから「ナイス!」と声がかかり、
どんどん白熱したゲームとなっていきました。
また、ボールを持っている人の位置をチームメイトに教えたり、音によるフェイクをいれるなど、
チームメイトと連携をとりながらのプレーも多く見られ、見ていてとても面白いです!
そしていよいよゲームに参加です!
練習の成果もあり、何度かボールを止めて取ることができました!
ゲームに参加したからには、1点でも良いので取りたいところです…!
しかし、攻撃練習(見えない状態でボールを投げる)をしていなかったため、
ゴールするどころか、コート外にボールを投げてしまうこともしばしば…
しかも投げた後は自分の定位置に素早く戻らないといけないのですが、
ラインの凹凸をうまく見つけて定位置に戻ることができず1人であたふたする時間も…
チームを変えて何度かゲーム形式の練習を行い、
最後のゲームで1回だけゴールすることができました!
守備も徐々に上達し、速いボールをセーブすることもできましたよ!
開始から2時間ほどで練習終了。
みなさん疲れた表情を見せながらも、プレーに対する反省や改善点を
チームメイトと笑顔で話されているのが印象的でした。
高知パラスポーツクラブMKTのみなさん、ありがとうございました♪
実際に感じたゴールボールの魅力
人間は情報の8割を視覚から得ているといわれています。
その視覚を封じ、聴覚や触覚を使ってボールを取って投げ、
スピード感のある攻防を楽しむことができるのは、
ゴールボールならではの魅力だと思います。
また、実際に詳しいルールを知って体験してみると、
個人の技術はもちろんのこと、チームの作戦がかなり重要になってくる
複雑な競技であり、そこが面白い競技だと感じました。
ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか?
高知パラスポーツクラブMKTに興味のある方はこちらから!